Covid-19 第6波-ピークの予測


2022年1月8日から1月25日までの実効再生産数のデータ(東洋経済)を用いて、 第6波の感染者数がピークとなる日を予測します。
予測方法は、回帰直線を用いたものと、関数\(\displaystyle y = \frac{b}{x+a}\)でフィッティング したものを用います。ピークの予測日は、実効再生産数の予測値が1になった時で与えられます。
結果は、
  • 回帰直線を用いた場合
    • 2022年1月31日 
  • \(\displaystyle y = \frac{b}{x+a}\)を用いた場合
    • 2022年2月11日
となりました。この範囲に収まれば、予測は正しかったことになります。 図示すると以下のようになります。さて、この予測は当たるでしょうか?
Forecast
作成したプログラムについては、 ここ をご覧ください。

データの更新


時間の経過とともにデータが増えたので、2022年1月24日から1月30日までの実効再生産数の 値を用いて、予測をやり直してみました。結果は、
  • 回帰直線を用いた場合
    • 2022年2月7日:こちらの値は、前回の1月31日から大きくずれました。  
  • \(\displaystyle y = \frac{b}{x+a}\)を用いた場合
    • 2022年2月14日:こちらの値は、前回の2月11日からは大きく動いていません。
となりました。以上より第6波のピークは2月中旬に訪れる確率が非常に高いと思われます。
Forecast
1月25日に引いた回帰直線と回帰曲線が 前回とは違って、データからずれてしまったのは、 その後、データが更新されたのが原因と思われます。

データの再更新


更に時間が経過したので、2022年1月30日から2月5日までの実効再生産数の 値を用いて、予測のやり直しをします。結果は、
  • 回帰直線を用いた場合
    • 2022年2月11日:  
  • \(\displaystyle y = \frac{b}{x+a}\)を用いた場合
    • 2022年2月14日:こちらの値は、前回から動いていません。
となりました。以上より第6波のピークは2月中旬に訪れる確率が非常に高いと思われます。

Forecast
実効再生産数\(y\)を2022年1月30日からの経過日数\(x\)の 目的関数を\(\displaystyle y = \frac{b}{x+a}\)としてフィッティング したものは、2022年2月14日からほとんど動かなくなりました。一方、線形回帰の予測値は、 前者の予測値に近づいてきました。以上より、第6波の感染のピークは、2月14日頃と考えられます。

まとめ

 2022年1月30日から、データが増える毎に予測のやり直しを行うと、 線形回帰(linear)の場合と目的関数(\(y=b/(x+a) \))の場合の予測値は、 以下のようになりました。
最終日 linear \(y = b/(x+a) \)
2022/2/6 2月11.2日 2月13.3日
2022/2/7 2月12.9日 2月15.6日
2022/2/8 2月11.2日 2月12.8日
2022/2/9 2月11.8日 2月12.3日
2022/2/10 2月12.2日 2月12.6日
2022/2/13 2月12.4日 2月12.6日
2022/2/14 2月13.4日 2月13.7日
 実際に実効再生産数が1となったのは、2月13日でした(東洋経済オンラインの データ(最終更新:2022年2月15日))。 2月5日までのデータからの予測は、2月11日から2月14日の間でしたから、 ほぼ予測通りということができます。 感染者数の観測値には曜日によるばらつきがあるので、感染者数の実際のピークが どこにあるかは定かではありませんが、10日前後であるのは間違いないでしょう。 本来ならば一致すべき数値がずれているのは、移動平均による平滑化に関係しているものと 思われます。
 過去のデータについても、集計方法の難しさからか、時々更新が行われているようです。 これも、予想を困難にしている一因かもしれません。
 実効再生産数の穏やかな減少より、日毎の感染者数の減少も緩やかに推移するものと思われます。

Forecast